092 個と全の克服は相対の悟り

 

 

二次元意識の魂心境は、普段の心掛けで魂心境が上向きになるか下向きになるかの何方かしか無く、二次元意識体として完結する拠り所は存在しないと言う事でした。

二次元意識(相対的な他者認識)を常に上向き(三次元意識に向かう)にと心掛けることによって、始めて二次元意識としての現状維持が果たされると言う事でした。

この場合の下向き(一次元意識に向かう)の二次元意識は固体としての物質化に向かい、上向き(三次元意識に向かう)の二次元意識は全体としての霊性化に向かうのであります。

少なくとも二次元意識としての魂心境では、個別の意識(我れのみ)ではなく、相対の意識(我あり彼あり)でなければならない…。

自分だけの気持ちや立場のみしか範疇に無いようでは自我尊重の一次元意識人間である。

他者の気持ちや立場を思慮考慮することが出来て始めて相対原理を悟る二次元意識人間と言えるのであります。

自分の心の痛みは、同時に他者も心に抱く同じ痛みである。

自分の心の悲しみも、同時に他者も心に抱く同じ悲しみである。

不運を嘆く切なさも、同時に他者も同じ切なさを心に抱いて嘆いている。

自分だけの喜びや楽しみを味わえるならば、同じ喜びや楽しみを他者も味わえる筈である。

自分だけの感覚ではなく、何処かで誰かが同じ感覚を得ているであろうし、自分だけの感情ではなく、やはり何処かで誰かが同じ感情を発しているのであります。

そこに自分と他人の違いが現れているならば、それは生まれ持った環境の違いであり、長らく生きてきた境遇の違いであるのでしょう。

個人的な意見や主張は自分側の考えであり、自己尺度を基準にした言動であると知らなければならない…。

経験値や体験量の相違から、お互いの意見や主張がズレてくるのは当たり前の結果であるのです。

自分が信奉している主義主張が如何なる内容であるかを正確に知ることで、相手が信奉している主義主張が如何なる内容であるか(その違いは何であるか…)を正確に精査することが出来るのです。

こうして思想による心的整理が進んだ者ほど、深い思想哲学を手に入れることになる。

このように個と全の克服は、相対原理を悟ることで果たされるのである。

 

 

 

  42 むすび大道 【相対原理編】 二次元