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損得の 固辞を放てば 幸来る

 

 

誰にでも悩みは付き物ですが、その悩みの大半は人生の岐路に立たされた時の選択肢にあります。

自分は何を選び何処へ行くのか…。

出来る限り後悔はしたくないと思いながら、最も良い選択肢を選びたいと願うのが人間の本心ではないでしょうか。

何れを選ぶのが最も得なのかを、あらゆる選択肢を並べて比較しても、物事には必ず良し悪しがあり、利点欠点が混濁しています。

複雑な人間社会に於いて様々な主義主張が乱立する中で、自分一人だけが得をする完璧な解決策は有り得ないのです。

それなのに損失部分(マイナス面)ばかりを過大評価して選択肢を減らす(失くす)人が多いのです。

結局は何も選べず動き出せないまま、空しく時が流れてゆくのみです。

目先の損得は一時の夢でしかない…。

ジクソーパズルの分かりやすいピース(部分絵柄)だけを探し求め、その部分だけを集めたところで、絵柄の全体像はナカナカ完成しない。

少々遠回りでもジクソーパズルの角部や辺部から繋ぎ合わせた方が早い場合もあるはずです。

これは総てケースバイケースではありますが、自分の利得だけに拘るなら永々と立ち止まったままになってしまいます。

人間は諸生活に於いても損得評価の微妙な違いで言い争う事が多く、これは個性化が物質化へと退化した弊害です。

それゆえに民主主義は我儘の自己選択に翻弄されて、やがて崩壊する運命にあります。

そこには目先の損得だけに囚われず、冷静な慧眼で未来を見通す徳性が必要不可欠です。

軽はずみなプラス思考(肯定論者)は困ったものですが、重苦しいマイナス思考(否定論者)もまた困ったものです。

臨機応変な思考感覚で段階的発想を心掛け、アクセルとブレーキを使い分けながら、解決策を地道に実践することです。

利得を掴んでいるその手を放てば、今まで見えなかった新たな選択肢が確かに掴めるようになるでしょう。

 

 

 

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