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世の中には完璧な人間は一人も居ません。
天才といわれるような人であっても、人間生活全般でノーミスはありえないのです。
肉体に魂が宿るということは、どれだけ高い天武の才覚をもっている人であっても難しいということです。
自己過信をすると、この事実に打ちひしがれたときのギャップが大きすぎて、再起が遅れることも多いと想います。
これは可笑しな話ですが、本来の天才こそ自分が完璧な人間ではないことを痛いほど自覚しています。
彼らはそれを自覚するがゆえに日々努力を続けるのであって、それをあまり人前では行わない(感じさせない…)
それは自己欺瞞や自己吹聴が、どれだけ惨めで、みっともないことかを身をもって知っているからです。
しかしこれも可笑しな話ですが、凡人ほど自己過信に堕ちやすいし、慢心しやすい事実は枚挙にいとまない…。
彼らはほんの少しでも自己を高く見せようと、現状でも能力を越えた自分を飾るのであります。
そしてその滑稽さを本人は気付いておりません。
ですから本来の天才であればあるほど、自分を天才だとは想っていないのです。
むしろ平凡な自分を肯定した上で、地道に努力を積み重ねるのです。
発明王エジソンが残して下さった言葉を想い出して下さい。
『天才とは1%のインスピレーションと99%のパースピレーションだ…』
このようにエジソンは言ったはずです。
パースピレーションを訳すると『汗を流す…』ということですが、これは地道な努力を意味しています。
こうした精神は自己満足に甘んじるような人では持ち得ない精神です。
ましてや失望感に打ちひしがれたなら尚更のことで、今まで以上の努力をしなければなりません。
エジソンは何百回と実験に失敗をしましたが、そのたびに…。
『また最初から遣り直せる…』と言ったといいます。
このように現状の自分に慢心せず、または失望せず、現在只今を常なるスタートラインとして原点回帰していただきたい。
還元思考というものは、この慢心と失望の罠から自分を守り、行くべき道へ、進むべき方途へ、再び歩み出させるためのアイテムだと心得て下さい。
ここまで出来たのだからもういいだろうという妥協…。
こんなに高まった自分なら後は力を抜いて構わないだろうという安直な気持ち…。
こうした心持ちが良くないということは、『ウサギとカメ』の童話を読んだ子供たちでも知っていることです。
または大失敗を招いて打ちひしがれた人も、大切な人を失って意気消沈してしまった人も、静かに歩み出す努力を惜しまず、カメのごとくひたすら歩み続けるべきなのです。
理想は高く持つべきですが、現状の自分に対する理想像が高すぎると、人は慢心や失望の罠にかかりがちです。
理想は手の届かないほど前方にあるからこそ、そこに向かって歩み出せるのであります。
しかし現状把握を見間違って、現在只今の自分が、まるで理想そのものだと勘違いしてしまうと、ここに自己過信や挫折が始まると心得るべきなのです。
苦しくて動けないときは、そのたびに原点に立ち返って、また一から始めましょう…
時には原点回帰のリセットボタンを押す必要はあるかもしれません。行き詰まり立ち往生してどうにもならないなら、見栄や損得をかなぐり捨て、失望怠惰と決別して、現状の自分を勇気を持って受け止めて、そこをスタートラインに還元して、新たな気持ちで歩み始めればよいのです。
それまでの経験や体験は決して無駄にはなりません。
その後の人生途上にて、必ず何処かで役立つ智恵として、経験や体験が輝くときがやってきます。
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