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048 信頼は地道な積み重ねが必要 |
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大戦後の日本人が徳育を取り戻すことを放棄した理由は、個別主義の競争原理に大きな問題があります。 他人よりも優れた自分造りは個人の成長を加速させましたが、その分だけ他者との心の関わり合いに眼を背けて個人の成長を優先する主権を尊んだのです。 個人的な努力は一人分の精進で事足りますが、社会人(公人)としての努力は人の数だけの精進が有り得ます。 精神の忍耐力に乏しい現代人は、近道を探す事が知恵だと考えがちではありますが、残念ながら徳育には近道はありません。 何故なら公人としての精神を鍛える最たるものは経験であり、実体験から直接的に得られた智恵の集積組成が、人生の教訓となって次代の若者たちをも育て得る尊き教材になるのであります。 心の生長は人間関係でこそ育まれるもので、隔離や厭世では根本解決が遠退くだけである。 精神面の外部治療は魂の軟弱化に繋がり、心の課題を先延ばしするだけで魂の弱体化を良しとしてはならないのです。 今後は長い時間を掛けて段階的に精神面の忍耐力を磨いて、進んでは霊耐力をも磨くことが望まれるようになるでしょう。 1日でも早く疑心暗鬼は過去のものとなるように、社会風習から変えて行く努力を始めるべきであります。 現代人の狂気に満ちた疑心暗鬼の醜態は、テレビやラジオを通して日々確認することが出来ます。 貴方もインターネットを開けば、疑心文化を美化したような記事にも触れることが出来る…。 冷静な眼で全てを精査すれば、呆れるほど哀れな人間性に気付くかも知れません。 しかしそれはそれで良いのです。 現状把握なくして人類の未来は開かれません。 見たくないものに眼を背けず、勇気を持って着実に一つずつ改革の手を進めるしかありません。 信用は建前だけでも作れるが、信頼は長い時の流れの中で積み重ねた心の交流であるため、ひとたび築かれた信頼は少々の失態では崩れないものであります。 そこには疑心暗鬼の入り込む余地など無い…。 社会が乱れて事件事故が多発する現代人に必要なものも、人間関係に於ける本当の信頼関係である。 ここに徳育が急がれる真なる理由が隠されているのである。 最後に繰り返しますが、徳性開発に姑息な早道は無い。 日々コツコツと魂を磨き、良き心の傾向性を積み重ねる貴方であるように…。 こうした言葉を最後に疑心暗鬼の章題を終えることにします。 |