020 知に依存する現代人

 

 

人間は感覚に依存すると霊性を失うことになります。

何故なら感覚は物質世界を知覚する為のアイテムであるからです。

地上世界では感覚から得られる情報が他者との共通概念となり、感覚の相違が意識の歩み寄りの為の思考となり会話となるのです。

そこに学問が必要となり、思考は哲学や宗教を呼び覚ますのです。

しかし魂心境を一次元意識に凝り固めた人間は、他者の意見に聞く耳を持たず、今だけの感覚に依存することで自己限定の殻の中に魂を閉じ込めてしまうのであります。

そうなると凝り固まった感覚は、まるで機械のようなセットプレイでしか感覚を知覚することが出来なくなります。

一次元意識の人間は1+1=2にならなければ結果を受け止めることが出来ないのです

誠に融通の利かない性格となっている。

そればかりか自己自身の感覚のみを極度に正当化することで、他者の意見を間違いだと決め付けるのであります。

感覚を個人主義で極めれば孤高の利己主義者となるでありましょう。

たった一人で潔く生きるのなら其れも良い。

しかし人里離れた辺境の地に自ら降りて、思い通りの生活を始めれば良いかもしれませんが、元来人間は一人きりでは生きて行けません。

ましてや愛は、相手が居て始めて感じられる感性であります。

何故なら愛は、自他一体の境地であり、神我一体の境地でもあるからです。

従って本来の愛には意思疎通が伴なうのであり、相手に対する労わりや優しさが自然に施されるのであります。

社会人として自らの感覚が歪んでいないかどうかを、時折り自己反省する貴方であれ…。

個人的な知恵に依存して魂の質を落とさないように、注意深く心を振り返り見る貴方であれ。

何時までも一次元意識に留まることなく、隠れ蓑(一次元意識)を自らの意志で脱ぎ捨てる勇気を持て。

自らの運命を前向きに受け止めることで、一次元意識の人間にも本当の自己確立が始まるのであります。

 

 

 

 41 むすび大道 【自己確立編】 一次元