047 我知識を振り回す小人

 

 

本物の博識に至った善良な知識人は拾ってきた知識を其のままでは扱わず、相手に兼ね合った知恵に変換して、救道善道にこそ知識を使い分けるのである…と。

それが人徳者たちが地上に生まれた意味であり、彼らが混沌たる時代を生きる意義でもあると言うことでした。

人徳者たちの人生は、もはや自分一人だけの人生では治らず、人と人との心と心を結ぶ為の尊い人生を生きて居られます。

このような高貴な人生は一次元意識のままの魂心境では有り得ない…。

自分の事(利得)ばかり考えている間は、そこに他者への善意が湧いては来ないし、素直な真心で愛行を施すことは出来ないでありましょう。

そうした利得人間(一次元意識の魂心境)が常に振り翳す知識は、自分の欲得を満たす為の我知識である。

大人物(人徳者)は無闇矢鱈に知識を振り翳したりはしない。

人徳者たちが扱う知識は適材適所に臨機応変なる姿で知識を使い分けるのであり、それが他者を生かし育む知恵となり教訓となるのです。

しかし知識を無闇矢鱈に振り翳す小人物(迷妄者)は、諸刃の剣でもある言葉(迷知識)を振り回して、所構わず心身ともに破壊行為を繰り返すのであります。

大人物が扱う言葉(知恵)は思想や哲学となって時代を構築して行きますが、小人物が扱う言葉(知識)は闘争と破壊となって時代を混沌の渦の中に叩き落とすのであります。

何時の世も大衆意識が一次元意識に傾倒する時代は、個別意識に迷わされた迷妄者たちが量産されて、事件事故や闘争破壊、凶悪犯罪や天変地異が頻繁に巻き起こるのである。

こうした不遇を人々は外部からの侵犯だと誤解しがちではありますが、心の法則(因果の理法)を紐解けば全てが一次元意識に魂心境を凝り固めた迷妄者たちの、心の内部から派生した自業自得(原因結果の法則)の成れの果てでありました。

いま人類は早急に一次元意識を卒業(克服)しなければならない。

個別意識(一次元意識)は時代を崩す我知識を横行させる事実に気付かねばならない。

やがて個別意識(一次元意識)は一人歩きを始めて八岐大蛇(強欲の統合意識)を大量に派生させるのであります。

 

 

 

 41 むすび大道 【自己確立編】 一次元