054 経験こそが学徳を育む

 

 

実践を通して育む魂の学びが学徳であり、その学びは他人の存在を考慮しなければ有り得ない世界観(魂の学び)であると言う事でした。

また学問に於いて公私の区別が見当たらないなら、その学問(知識)は学徳(魂の学び)には昇華しないと言う事でありました。

つまり個人的な学びが学問(集積の知識)であり、公人的な学びが学徳(魂の学び)であります。

学徳には他者を配慮した実践が伴なうべきであり、運命(時代や環境)と宿命(魂の傾向性に於ける因果律)を自らの意志で乗り越えて行く気概が必要となる。

要するに経験こそが学徳を育むのであって、より多くの経験を実体験することで、更に其の実体験の質を善果に軌道修正することで、学徳は人間の魂を完成(生命の実相)へと昇華させるのであります。

経験の無い机上の空論は単なる学問(知識の集積)であり、寄せ集めの知識は往々にして間違った扱い方で自分を破滅に追い込み、他人を完膚無きまでに叩き潰しながら社会人としての尊厳を踏み躙り、個人的な栄華を貪り喰う為の材料(悪果)とするのです。

一人の人間が体験を通して知る真実は微々たる内容である。

しかし其の些細な経験値を積み重ね組み立てることで、やがて経験値は自分の苦難を救う教訓となり、他者の窮地を助ける智恵となるのです。

こうした学徳には反省回顧と軌道修正が車輪の両輪として自己展開するのであり、そうした人間の徳性は永遠昇華と無限生長の軌道を自発的に辿る事になります。

経験の無い学問は計算能力や結果予想には優れておりますが、実質的な経験値には予想外な人為が付加されたり、想定外な神威が吹き荒れたりして、度々人間知の浅はかさを思い知らされることになります。

一人の人間の知力を驕り高ぶる事なく、学徳を地道にコツコツと謙虚な姿勢で積み重ねる生き方こそ、天変地異が猛り狂う時代を生きる現代人の採るべき姿勢であります。

貴方も魂の教えを謙虚に学び、臆せず自己反省を重ね、進んで軌道修正に臨むべきである。

それこそが学徳を育む際の最短距離になるのであります。

 

 

 

 41 むすび大道 【自己確立編】 一次元