072 他力で創造された個性
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個性化の原点は魂心境を退化(物質化)させるものではなく、進化(霊性化)させるものであり、自力としての自己確立は大調和に備えた基礎研鑽(足場固め)であると言うことでした。 人間の個性化は、大生命から枝岐れた個別の生命であります。 個性意識は全体意識から生命の一部として創み出され、自力は他力で創造された神の子(光の子)としての血統(血筋)である。 総ての人間は、本来は生まれながらに大生命をルーツとした貴い個生命であるのです。 そうした貴い生命のルーツを魂に刻印された個生命でありながら、度重なる転生輪廻の果てに魂の故郷を忘れ去って、物質世界(地上世界)のみが人間の完結した世界だと誤認することで、人類にとって大切な精神性(霊性)を閉ざしてしまった歴史でありました。 精神性が閉ざされたなら人間の本来の存在理由は肉体の死をもって終わることになります。 すると今だけの刹那的な快楽が尊いもののように思えてしまうのが、一次元意識に魂心境を凝り固めた人間の思考回路(迷妄状態)である。 そうした人間の自力は正に自分勝手であり、自己都合優先の利己的感覚が全ての基準に成りがちである。 また其のような自力は無責任な我儘となり、自らの心の自己展開で巻き起こる全ての事象を責任転嫁することになります。 相手を妬み他者を憎み、社会を呪い天をも誹る…。 其処には自己の心が存在する余地も無いほど、狭く窮屈な意識の領域しか残されていない状態になります。 だからこそ一次元意識に魂心境を凝り固めた人間は、利己的(我欲心優先)であり自己中心的(自意識過剰)な生き方となるのです。 そこには自分の為だけの自力が展開し、自己優先の為だけの他力本願が展開することになる…。 一次元意識の人間には他者の気持ちを配慮する心が欠乏しているのであります。 その心さえ物質化して自力天狗となり、意識の固着を自ら放置している迷妄人間と成りつつあるのです。 |