073 自力の無限成長が他力

 

 

一次元意識の人間には他者の気持ちを配慮する心が欠乏し、心さえ物質化して自力天狗となり、意識の固着を自ら放置している迷妄人間と成りつつあると言うことでした。

自力というものは、自分一人だけの努力であり精進であります。

その自分一人だけの自力(生長)を文字通り自分の為だけに行使したなら、其処に現れてくる世界観は独善の世界になります。

自分一人だけの世界であるなら独善も立派な個性化に見えますが、残念ながら人間社会には、同じ地域に同じような人々が、まるで強烈な磁石に引き寄せられるように互いに関わり合ってまいります。

しかも人それぞれの独特な主義主張を心に抱いている。

行動や考え方に微妙な違いがある。

良し悪しの基準さえ人生観の相違から噛み合わない。

個性化というものは副作用に摩擦や衝突が付き物なのです。

つまり独善という一次元意識は、自己中心的解釈の中でしか生きられないことに気付かねばならない。

当然の話で自我力のみでは魂の生長は望めないのであります。

自意識(一次元意識)のみで臨める生長は、個性体の限界が其のまま生長(伸び代)の限界になるのです。

一次元意識としての自己限定を克服しなければ、新しい風を呼び込むことは出来ないし、自らの心の歪みに気付くことも出来ないのです。

一次元意識の魂心境を超越した時こそ、今まで見えなかった新たな風景がリアルに観えるようになるでしょう。

そうして一枚ずつ次元階層の抜け殻を脱ぎ捨てて、他者との関わりの中で協調精神が育まれることが、正しい自力の生長過程であります。

自力の無限生長は純粋な他力に繋がっております。

こうしてみると自力の正しい生長過程は、自己限定の殻を自らの意志で打ち破ることであり、自力で自力を超越する自力脱却が、真なる目的意志(自力と他力の融合)となるのであります。

自力と他力が融合する為には、自意識を限りなく薄めて行かなければならない。

それでこそ自力と他力の融合が無限生長の大道を行く真なる道筋になるのであります。

 

 

 

 41 むすび大道 【自己確立編】 一次元