092 個体としての自己確立
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全ては小悟から始まる…。 個性としての自己確立(脱一次元意識)を果たしてこそ、固定観念を克服することが出来るのであります。 この小悟を度外視して中悟や大悟を求めても、自己限定の枠(制限)の中では中悟など有り得ないし、大悟など夢のまた夢である。 自己限定の枠の中に納まったままの自己拡張は、自己自身の影が深まるだけであり、それが濁りの無い善性であったとしても、霊界への帰還は裏側の世界になります。 裏側霊世界は個人的な自己拡張を果たすには格好の霊世界であります。 個人と個人の比較による優位性の追求は、極限にまで到達しても認識の形式を超えられない運命(さだめ)であり、個としての最高峰は何時かまた誰かに抜き去られる運命にあります。 しかしそうした認識の形式を心地良く思う霊人たちが、裏側霊世界といわれる天狗仙人界を創り上げていることも事実なのです。 この裏側霊世界(天狗仙人界)には競技を目的とするスポーツや、自分を自己表現する芸能などを得意とする霊人が多く存在します。 そうした彼らが地上世界に生誕すると、やがてスポーツ界や芸能界などで活躍をする時代の天才児として頭角を現すことになります。 こうした裏側霊世界の主義主張が全て誤りであるという訳ではありませんが、自己限定を超越しないまま技術力や霊能力を磨いたとしても、天来の人間としての真実の生長とは懸け離れた成果は、大切な心を何処かに置き忘れた旅人の如く、魂の帰る場所を見失った世捨て人のような、人格を覆い隠す心の翳りと、何処からか吹き抜ける冷たい風に支配されて、孤高の天才児は個人的な独善の高みを極めた栄華を握り締めて、寂しく薄暗い裏側霊世界で一人静かに生きることになります。 本来の人間の魂の故郷は光り輝く実相世界であります。 実相世界には個人の霊性を隔てる壁は存在しない。 実相世界には自と他を乖離する貪瞋痴や五毒(我欲・欺瞞・愚弄・下劣・傲慢)など存在しない。 これは一次元意識の魂心境を克服したものでない限り到達することが出来ない真実の光明霊世界なのであります。 |