099 トータル把握する徳者
|
貴方は自分の事ばかりを考えてはいないか…。 自分に与えられるものばかりを求めてはいないか…。 思い通りに生きたいと我儘を押し通していないか…。 自分一人のみの感覚意識(自己限定の殻の中)に閉じ籠ってはいないだろうか…。 もしそうした魂の傾向性が習慣化されているようなら、貴方は一次元意識に魂心境を凝り固めた人間に成りつつあるのです。 本来の人間の魂は善にも悪にも意識を合わせられる自由意思がある。 個別意識に傾倒しようが全体意識に傾倒しようが貴方次第であります。 しかしこの人権(自由意思)には責任が伴なうのです。 自分の意思で創り出した現象物は、全て自己自身の心の法則(因果の理法)に従って、形に現れてきた心の影である。 そうだとするならば自らの心を自己反省(現状把握)して、心の清掃浄化(悔い改め)をすれば、宿命は必ず改善されるのであります。 そうした強き意志にて未来に望めば運命すら克服することが出来るのである。 人間には生まれながらの悪人は居ないが生粋の善人も居ない。 様々な人生模様の中で人の心は揺れ動き、調子が良い時もあれば悪い時もあるでしょう。 時には仏心が湧いて他人に優しく振る舞えたりするが、時として機嫌が悪くなって悪意が沸いて他人に冷たく当たってしまうこともあるでしょう。 そうして一人の人間としても徳性は日々高下するのであります。 しかし大きな視野で自分自身を振り返り見れば、本来は自由自在な性格を持ちながら或る一定の領域(心の傾向)が見い出せる筈です。 その片寄りがちな性格領域(心の傾向性)が、現在只今の貴方の魂心境であると仮定されるのであります。 仮定は決定ではなく、本人の努力精進によって変更(軌道修正)が可能である。 そこに人格の相違が現れ、徳性の高下が枝岐かれるのです。 徳者は此れをトータルで判断(霊的把握)して使い分けられるからこそ、高徳者の水準を維持継続することが出来るのであります。 |